生活保護制度について

最近、生活保護の申請件数・受給世帯が増加しているといったニュースをよく見かけますが、高齢者が増加している現状下ではそれも当然の話で仕方のない事だと思いますが、保護世帯の急増は国や地方財政に少なからぬ負荷をかけるのでその点は少し気になります。現在の保護世帯は約160万世帯で人数としては200万人余り、国民の1.6%が受給している事になります。(外国籍の受給者は約7万人) 

日本の生活保護制度は家賃も生活費もすべて現金支給、医療費も公共交通機関も無料、死後の処理まで無償で全部してくれる手厚い福祉制度で、そうした充実した支援制度は世界でも珍しく、日本の生活保護受給を目当てに来日する外国人が増加していると言われているほどです。外国籍の受給者については現在は受給期間に制限はありませんが、将来的には期限を設けた方が良いと思いますね。国防や経済的負担の点から見て戦時や経済危機の際に外国人を税金で養う事は国民感情を考慮すれば無理がある。また、外国人に生活保護の受給権を与えている国は殆どありません。人道的な観点から一定期間は生活保護受給を認めるべきだろうと思いますが、たとえ長年日本で働いていたとしても、やはり線引きはしておく必要があるだろうと思います。日本の年金は母国に帰国しても受給出来ますし。(但し保険料納付期間等の一定の要件を満たしている場合のみ)

個人的には現行の生活保護制度は現状維持で継続して欲しいと思っています。身体障害者は無条件で保護支援すべきですが、身体的障害が無くても精神的に問題を抱えている人を保護する事も大切です。不正受給等の問題はあるものの、今の日本で働き続ける事は心身に大きな負担が掛かる事が多い。避難所はどうしても必要になってきます。自分にとって居心地の良い職場に巡り会えない人も多いし、そうなると精神を病んでしまう場合もある。それを責める事は出来ないし、心が力を取り戻すまで安心して暮らせる環境を提供する事は最も意義のある支援システムの1つだと思っています。生活保護受給者は昼間から何もせずブラブラと街を歩いたりパチンコをしていると非難される事も多いのですが、ブラブラしていても心の中は戦争状態という人が多いのではという気がします。ただ、現在の日本の財政難を考えると、この手厚い福祉制度がいつまで維持出来るのかという懸念もあります。災害時や戦時、食糧危機、経済の破綻といった国家の非常事態の際にはあっけなく崩壊するのではないかと危惧する専門家もいますし、私もそれには同感です。緊急事態を理由として生活保護法が即時廃止叉は国情に沿って改正される可能性は十分にあります。緊急事態の場合に生活保護保護下の人々をどうサポートするのかについての指針や施策についてはまだ検討中なのか、公的なプランは提示されていません。その一方で経済の破綻はゆっくりと近付いてきている気がします。日本の高度成長期を生み出した優秀な人々の多くは海外に移住しており、これからも若く優秀な人材の流出は続くでしょう。生活保護の廃止まではなくとも財政難によって生活保護の受給要件が厳しくなったり、保護の途中打ち切り、支援範囲の縮小といった施策変更の可能性は十分にあるでしょう。財政難で保護の支援レベルが下がってしまうことはある程度許容しなければならないと思いますが、生活保護制度の廃止や受給条件の厳格化といった極端な施策転換は国内に混乱をもたらす事になりかねない。そうした事態に陥らないように、緊急事態時に200万人もの被保護者の生活をどうサポートするのかについての試案を早急に纏めて国民に提示する心要があると思いますね。