維新の会

先日、四月上旬に統一地方選挙が実施されました。今回の地方選挙では北海道と関西の選挙結果に注目が集まっていましたが、やはりというか、関西の地方選挙の結果は「大阪維新の会」の圧勝で、特に大阪では府知事と大阪市長W選挙で勝利し、府議会・市議会で単独過半数議席を獲得しました。大阪以外の京都・奈良等でも京都市議選で議席数を伸ばし奈良知事選で勝利しました。関東圏でも幾つかの議席を獲得しています。大企業や公務員・海外に金をバラまく自民党公明党の連立政権に対する不満票が、庶民に金をバラまくとPRしている維新の会に流れて行ったと言われていますが・・。私が見る限り、維新は政治組織というより企業組織に近いような気がしますね。業種は不動産業・風俗飲食業、建設業・貿易業等といったイメージです。商人の街・大阪の個性が出ている政党だなと思いますね。以前にアメリカ軍の誘致を匂わせたりしていて驚きましたが、流石にそれは府民の反発があって断念し、大阪都構想住民投票で否決、カジノのIR構想は今回実現できる公算が高まっているようですが、府民から反対する声も上がっている様です。これほど府民が嫌がる提案を連発している政党も珍しいですが、しかし金勘定にシビアで公務員の無駄遣いをカットし、庶民、特に子供に手厚い支援策を実施している点が評価されているので大阪での政権基盤は今の所安定しているようです。企業的体質なので税金の無駄遣いや非効率な財政運営は許せない、その一方で公的機関としての視野の広さや実利を超えたレベルでの視点が無い為に政治組織としての限界もあるような気がします。大阪湾にカジノが出来たらどうなるのか。企業ならば大きな収益のみを目標とすればいいので問題は無い。ですが行政は環境公害や犯罪・次世代への影響まで、全てを検証しケアして行かねばならない。あらゆる事態を想定して府民に説明し理解を求めなければならないと思いますが・・。無論、政党もキャリアを積んで行く中で変化し成熟して行く場合があるので大阪府民もそうした将来性を見込んで、不安な要素があることを認識しつつも支持しているのではないかと思います。個人的には維新の会の体質や考え方が変わる未来は想像し難く、いずれは政党としての終焉を迎えるのではないかと思っていますが・・。既に国政政党としても始動している維新の会ですが、まだ全国規模で候補者を擁立する態勢ではなく、地方政党というイメージが強い為か関西以外での選挙区では苦戦しており現時点での国会議員数も少ない。今後本格的に国政に進出するのかどうか、その動向が気になる政党です。私が維新に投票する事は無いだろうと思います。先述したように政党としての視野が狭く近視的である、実利主義に偏り過ぎていて複合的な視点に欠ける、外交面でのグランドデザインが描けていない等がその理由です。幹部陣に英語が堪能な方が少ないような気がするのも不安材料です。国政を担うからには党首は英語を流暢に話せる人でないと務まらないでしょう。かなり昔の話ですが、維新の創始者在日米軍兵に地元の風俗店を活用して欲しいといった主旨の発言をしてペンタゴンアメリカの世論の怒りを買った騒動がありました。世界の潮流に疎く、モラルよりも時代遅れの実利を優先する維新の一面が表れているような気がします。賭博や風俗の売り上げは、人間にとって本当の売り上げではない。既にそれが世界の共通認識になっている事を知らないのではないかと。世界標準のモラルや常識・価値観を備えているのかという点で不安を感じさせる点が多々あります。また、そうした騒動を引き起こした創始者の発言について党内で議論・検証しようという動きも殆ど無かったように思われます。党の上層部の独裁的な支配、風通しの悪さを感じましたし、その体質は現在もあまり変わっていない様に思われます。維新や立憲民主等を上回る総合力を持った野党が誕生してくれれば・・と思うのですが。