同性婚について

近年、同性婚の法制化についての議論が国内で大きな注目を集めていますが・・。欧州やアメリカ、南米などでは既に同性婚が法制化されています。今後アジアや中東、アフリカ等でも法整備が進むと見られています。個人的には、異性間と同性間の恋愛は同じであり、従って恋愛の次のステップとして法的に支え合える結婚へと進みたいというのであればそれは権利として認めるべきなのではないかと思いますが・・。同性愛ばかりがクローズアップされがちですが、法的に支え合えるパートナーを獲得する人が増える事は行政にとっても福祉の面から見てもプラス材料です。病気や怪我、失業、死亡時、死後の相続・・法的な配偶者として認められていれば様々な場合に十分なケアが出来、各種の手続きもスムーズに行えますし、行政の負担も軽減出来ます。将来的には恋愛関係ではなくとも親友同士で法的にケアし合えるようなパートナー制度等も必要になってくるかもしれません。

ただ1つ気掛かりなのは子供への影響です。学校等の教育現場や各家庭で未成年の子供に必要以上に同性愛を理解させようとするのは控えた方が良いような気がしますね。発達心理学では、思春期に自らの性自認を正確に自覚する事は精神を安定させる上で非常に大切であるとされています。自分の心が男なのか女なのか、あるいは男女どちらとも言えるのか、恋愛対象は男なのか女なのか、あるいは男女とも対象になるのか、本来の自分の心の性とその指向性を正しく自覚する事によって精神が安定し安心感を得られる。それは心の成長に欠かせない要素です。同性愛を過剰に意識させることで本来は異性愛者であるのに自分が同性愛者かもしれないと悩んだり迷ったりするケースが増えてしまうかもしれません。その反動で同性愛者を激しく嫌悪し差別感情が生じてしまう可能性もあります。「同性愛というものが存在し法的にも結婚出来るらしい」という大まかな枠組みだけ伝えるという程度に留めておいた方が良いように思いますね。逆に同性愛者の子供にも配慮し、異性愛や男女の結婚が人間の在るべき姿だといった価値観を押し付ける教育も止めた方が良いと思いますね。また、発達心理の観点から考えると、子供が「自分と親の性的指向は違う」と違和感を感じた場合にそれを表出出来る様な環境を作り、親と社会全体でサポート出来るような体制を構築する必要があると思いますね。いわゆるLGBTQやノンセクシャルアセクシャルなど、人間の性的指向は本来多様性に富んでいます。現在は異性愛者の親の下に生まれた性的マイノリティーの子供のケアが重視されていますが、同性愛者に育てられている異性愛者の子供のケアも忘れてはならない。欧米では同性カップルが養子を育てたり、あるいは自分の精子を使って体外受精で女性に子供を産んでもらい、生まれた子供を同性のパートナーと育てているカップル、レズビアンカップルが同じ男性から精子を提供してもらって2人がそれぞれ出産し、異父兄弟として生まれた子供達を育てているというケースもあります。将来的には女性の幹細胞から精子を抽出して女性同士で完全な実子を作るというケースも増えてくるかもしれません。しかし子供の90%近くは本来は異性愛者です。同性婚の家庭環境が子供の性自認に矛盾・支障をもたらすリスクは高いと思われますし、結果として性的指向性をねじ曲げられた子供の人生は苦しいものになる可能性が高い。外国の研究機関等では、同性カップルの養育による子供への悪影響は殆ど無いとの研究結果を報告しているケースもありますが、子供も親に嫌われたくないから本音は言わないでしょう。数十年後、子供が子育てをする年頃になってから調査をすれば、より多くの視点から様々な課題が浮かび上がってくるだろうと思います。既に同性カップルに育てられた当事者として同性婚の下での子育てに反対している人々も多数存在します。 繰り返しになりますが、親と子供の性的指向が著しく異なっている場合は国が定期的に家庭訪問をして子供のメンタルケアをしたり、場合によっては一時的に児童保護施設で預かって子供が自分自身の性的指向性を正しく認識出来るようにサポートするなどの対応をした方が良いのではないかと思いますね。子供の本来の性的指向が自然な形で成熟する事を妨げてはならない。それは精神の基盤となる重要な部分ですから親が責任を持って守らなければなりません。