遷都について

最近は東京都内や東京湾沿いのベイエリアでタワマン(タワーマンション)の建設ラッシュが加速し、数億~10億円前後の物件が飛ぶように売れているといった景気の良いニュースをよく耳にします。富裕層が大きな買い物をするのは経済成長に欠かせない要素ですから歓迎すべき事だと思いますが・・。なぜ、この地震列島の日本で戸建て豪邸ではなく都心部のタワマンに集結してしまうのか・・という疑問を捨て切れません。関東大震災東日本大震災を経験しているのに、なぜ・・しかも海沿いのタワマン・・有り得ません。欧州の地震研究の専門家等は「東京は世界で最も大震災のリスクが高い都市」と警鐘を鳴らしているのですが、東京23区内に於いて地震のリスクによるタワマン規制の動きは殆どありません。一部の自治体では容積率の緩和を撤廃する事でタワマンの新規建築を抑制していますが、殆どの自治体はタワマン推進の方針を採っている様です。関東、特に東京は元々は湿地帯で地盤が弱く徳川家康も江戸(東京)の治水には苦労していました。神田川などは暴れ川でしたし。しかも東京の地下には無数の活断層が網目の様に存在しています。大きな地震が発生すれば脆弱な地盤は崩壊し、その上に林立しているタワマンも・・。そんな事は都民ならば百も承知の筈なのに・・と思ってしまうのですが・・。

もっと地震のリスクの低い、地盤が安定している土地に遷都するべきだし国民や与党内からも首都機能移転を望む声が上がっているのですが・・一部の省庁を複数の地方に移転させるだけでお茶を濁している感じですね。土地絡みの利権や由緒ある歴史を持つ土地への愛着など色々と複雑な背景・心理があるのかもしれませんが・・。大地震で東京のインフラが壊滅したら都内の1千万以上の人命が危険に晒され、政府の中枢機能が麻痺してしまう可能性もあります。

大正時代の関東大震災の時は地震のメカニズムも解らず将来の震災リスクも予想出来なかった為同じ場所で首都再建を行いましたが活断層や地球の構造まで解明されている現代において大地震のリスクが高いと判っている土地に首都を置いたままというのは前述のような様々な事情があるとしても国家行政の怠慢という気もします。遷都が難しいなら都内の高層住宅を減らして23区外や他県への移転を促進し人口密度を下げ、都市機能を更に分散させる事が必要になってくると思いますね。それによって買い物や通勤・通院が不便になったとしても命を失うよりはマシでしょう。

もし遷都を本格的に検討する事になった場合は、個人的には中部地方以東、つまり現在の首都と同じく東日本のどこかに遷都した方が良いような気がしますね。首都が西日本に移ってしまったら関東・東北の人心は荒れ、分断化が進むでしょう。関東・東北は首都・首都圏というアイデンティティがないと中々1つにまとまるのが難しいような気がします。明治政府もそれを心配して江戸に首都を移しました。個人的に岐阜県はどちらかというと文化的には西日本所属、その東隣の長野県から東日本という印象があるのですが、従って遷都するとしたら長野県から東の地域にした方が・・と思いますね。海沿いは地盤が弱く津波の心配もあるので内陸部の方が安心です。旧首都の京都も内陸部でした。そうなると、東日本で内陸部、活断層が比較的少なく地盤が強固であり、交通の便が良い平地、水源を確保出来る場所・・という条件を満たせる地域が候補となりますが・・探し出すのは中々難しいかもしれませんが、1つくらいは全ての条件を満たす土地があるような気がしますね。