政治と金と宗教と

安倍元総理が死去してから1週間以上経過し、狙撃犯の男の素性が詳しく報道され,犯行動機も徐々に解明されつつあるようです。犯人の男の父親は早くに自死し、男の兄も子供の頃に重病を患っており、それを苦にした男の母親が旧統一教会に入信して多額の献金をし、その為に家庭が経済的に困窮して一家離散状態となった。その為男は旧統一教会に恨みを持っており、旧統一教会のイベント等において友好的なビデオメッセージを度々送っていた安倍元総理を、教会を支援する勢力の代表格と見なすようになり殺意を持つに至った・・というのが男の犯行動機だと主要メディアで報道されています。安倍元総理を狙撃する事で、世間に旧統一教会の問題や教会と政界との癒着を告発したかったといった供述もしているようです。政界と旧統一教会との関係は週刊誌やアングラ系のネットサイトで時々見かけていたので知っていましたし、ネット上でもその内表面化して問題になるんじゃないかという声が多かったような気がします。旧統一教会は元々は韓国の宗教団体ですから在日韓国人や韓国系日本人との繋がりが強いと言われており、その為規模も大きく、強固な基盤を築き易かったんだろうなという気がします。それだけに、病気や家庭問題、仕事や恋愛で悩んでいる人達の身近にも入信のルートがあり、そこから宗教に癒やしと救いを求めて信者になる人が多いようです。ただ、個人的には「まだ合同結婚式とかしてたんだ」という感じですね。昭和時代の霊感商法など、所謂ぼったくり商売も問題になっていましたね。ただ、宗教というものは人によって捉え方が違うので、頭ごなしに否定することも出来ませんし、難しいところです。インドなどでは「喜捨」というような考え方もありますし、物欲を否定するのは宗教の定番です。例えば「無一文になって清貧となれば病気が治る!」などと説教されたら、心が弱っている人はお金を差し出してしまうかもしれません。信者は「誰かに自分の悩みを聞いてほしい。何らかの精神的な解決方法を提示して欲しい」という気持ちが強いので、本人にとってはその時点では有意義な献金だと思えるのかもしれません。後になって返金を求めるケースも多いようですが。司法や行政にとって宗教絡みのトラブルは対応が難しい事が多いと思いますが、旧統一教会については以前から様々なトラブルが起きていたにも関わらず、国・政治家が積極的に対策を講じてこなかったという責任問題もあります。その点も今後検証されて行くだろうと思いますが。また、今回の狙撃犯の男の背後関係、第三者の関与の可能性については綿密に調査して欲しいと思います。宗教団体への恨みから安倍元総理の殺害計画へという動機の流れは少し無理があるような気がしますし、高額の報酬と引き換えに・・という可能性も否定出来ないと思われるからです。また、旧統一教会とは関係なく元々安倍氏の政治的信条に反感を持っていて、という動機を併せ持っている可能性もありますが・・ただ、それについて検証する事は難しいかもしれません。