9.11から21年

先日、2001年9月11日にアメリカで発生した同時多発テロを描いた映画「ユナイテッド93」を見ました。当時の事を色々と思い出しましたね。夜遅く仕事から帰って来てテレビをつけたら、なぜか高層ビルをずっと生中継で映している。ビルの一部に穴が開いておりそこから黒煙が上がっている。音声も無い。「え?これ何?事故か何かかな。画面は昼だから日本じゃないな」と思っていると、そこでようやくアナウンサーの声「え~、ご覧頂いているのはアメリカ、ニューヨークの世界貿易センタービルです。先程、2つ並んでいるビルのうちのノースタワーと呼ばれているビルに小型飛行機が衝突した模様です・・」アナウンサーのロ調もやや当惑気味で、事態の詳細を把握していない為詳しい状況を説明出来ない様子。そのままビルの映像を数分間映し続け、私もその状況の異様さに単なる事故では無い、これは功撃されている状態だと思った時、ノースタワーの向こうのサウスタワーの側面に火花が上がり振動が走ったのが見えました・・。あのテロ事件がきっかけでアメリカは中東に派兵してテロ組織の掃討を行いアフガニスタンに親米政権を樹立させて支援し続けてきました。が、次第にイスラム原理主義勢力に押されて政権を支え切れなくなり、去年、同時多発テロから20年という節目に合わせて中東から軍を完全撤退させました。同時にアフガニスタンではイスラム原理主義組織タリバンが政権を掌握しました。アメリカ軍撤退時にアフガニスタンから脱出しようとする人々をどう支援するかが大きなニュースとなったのも記憶に新しいところです。9.11のテロ以降、アメリカ国内ではイスラム教過激派による同様の規模のテロは起きていませんが、一般市民による無差別銃乱射事件が多発し、特に若者が学校で乱射事件を引き起こすケースが増えています。99年のコロンバイン事件の影響に加えて01年の同時多発テロも現在のアメリカの若い世代に少なからず影響を与えているのではと考えてしまいます。余談ですが、同時多発テロが発生した直後に世界中のメディアがテロ行為を第二次世界大戦中の日本空軍に喩えて「カミカゼ」と表現していたのが「やっぱり」という感じでしたね。テロに巻き込まれて亡くなった人々は本当に痛ましく気の毒ですが、犯人達も色々と追い詰められていたんだろうなとは思います。
映画「ユナイテッド93」はドキュメンタリータッチで事実をできるだけ忠実に再現しようという姿勢を感じました。ユナイテッド93はテロリスト達にハイジャックされながらも乗客達が反撃し、その為犯人達のターゲットである連邦議事堂に到達出来なかったとも伝わっており、ハイジャックされた4機の中で唯一犯人グループが目的を達成出来ず失敗したケースとされています。他説では犯人グループを阻止したのはアメリカ空軍だという見方もあるようですが真相については不明のままです。重くて衝撃的な作品ですが一見の価値は十分にあると思います。